三重の酒

◆「山田錦」は三重の米?

 

 三重県は一年中緑が絶えないと言われるほど、あらゆる植物が良く育ち特に昔から稲作に適し、伊賀米、一志米は食味の良さで知られています。
 最良の酒造好適米として有名な「山田錦」も伊賀地方を中心に数多く栽培され、他にも「五百万石」、「伊勢錦」など様々な酒米が県内各地で栽培されています。
 これらの高品質な酒米が綺麗で芳醇な味わいの三重の酒に生まれ変わります。
「山田錦」は「山田穂」を改良して作られた品種ですが、「山田穂」は三重の宇治山田(伊勢市)で栽培されていた品種と云われています。
 その昔、全国から訪れる伊勢まいりの人々が伊勢の酒があまりにも美味しいのに驚き、その原料米の「山田穂」を持ち帰り育て、それが広まり、後に「山田錦」に改良されたと云われています。

 
※注釈
 

「山田穂」には他にも以下の説があります。
  (1)山田勢三郎という人が明治初期に自作田より非常に酒米に適した稲穂を発見し、増やした。この米に山田の性をとって「山田穂」と名付けた
  (2)東田勘兵衛という人が雌垣村(茨木市)によい稲穂があるのを聞き、種子を手に入れ栽培したら、大粒で心白の出が良い酒米になった。
  初めは雌垣米または椿米と名付けて出荷していたが 後に山田村藍那の地名から山田穂または藍那穂と名付けた。
参考文献 「兵庫の酒米50周年記念誌」